キーストーン種という概念は魅力的だが、現場では誤って特定されることが多く、誤った保全策につながる。

個体数と影響力の混同

優占種をキーストーンと誤認するケースが最も多い。ある湿地では最も目立つ植物種を保護対象にしたが、実際には全体の生産性の14%しか担っていなかった。本当のキーストーンは地味な地下茎植物で、土壌構造維持に不可欠だった。

時間的変動の無視

季節や年によってキーストーン性が変わる種がいる。鳥類の昆虫捕食は繁殖期にのみ生態系機能に大きく寄与し、それ以外の期間は影響が小さい。年間を通した評価が必要だ。

間接効果の見落とし

直接的な相互作用だけを見ていると、本質を見誤る。小型げっ歯類による種子散布が、実は10種以上の植物の更新を左右していたという事例がある。

物理現象への寄与度

ビーバーのダム構築のように、物理環境を改変する種の影響は測定しにくいが極めて大きい。水文条件の変化が38種の生息に影響していた。

機能的冗長性の誤算

複数種が同じ機能を担っていると、一種の消失影響は小さい。

空間スケールの不一致

局所的にはキーストーンでも、景観レベルでは影響が限定的な場合がある。調査範囲の設定が重要だ。